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鵜野祐介ゼミ

伝承児童文学における〈異なるもの〉と子どものコスモロジー

 


  「伝承児童文学」-昔話・伝説・神話をはじめとする伝承文学、ファンタジー、児童文学、絵本などの物語-を聴いたり読んだり観たりする体験、いわゆる「物語体験」は、子どもの内的宇宙(コスモロジー)の構築に大きな影響を及ぼすものと考えられる。とりわけ、日常世界とは異なるもう一つの世界(異界)との、そしてそこに住まい、時にはこちらの世界にやってくる存在(異類)との、出会いと別れの体験が、子どもの自己生成や変容にとって持つ意味は大きい。3年前期には、まず創作の児童文学(絵本・詩・創作童謡
を含む)と自己生成との関係性に関する基礎理論について課題図書の中から各自1冊ずつ選び発表する。次に、〈異界〉〈異類〉をモチーフに持つ作品を各自1つ選び、この作品が自己生成に与える意味について考察し発表する。後期には、まず伝承文学と自己生成との関係性に関する基礎理論について課題図書の中から各自1冊ずつ選び発表する。次に、〈異界〉〈異類〉をモチーフに持つ説話を各自1つずつ選び、自己生成に与える意味について考察し発表する。後期には卒業論文指導も合わせて行う。4年では、卒業論文の作成に向けて、基本的文献を読み進めるとともに、必要に応じて調査研究を行い、その成果を発表して、他の受講生からの質問や意見を仰ぐ。
  このゼミの到達目標は、(1)異界・異類・異人の登場する物語世界に慣れ親しむ、(2)異なる存在との接触体験が子どもの自己生成や変容にとって持つ意味に気づく、(3)他の受講生との間に主体的で建設的な討論を行うことができるようになる、以上3点にある。

 

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